性交痛の原因は?悩みの解消はできる?
部位別の痛みについても解説

性交痛1

 

性交痛について

挿入時が痛い」「腟内の潤いがなくなった気がする

 

性交痛は、性行為中やその後に生じる女性の不快な症状です。症状は個々の女性によって異なり、軽度の不快感から深刻な痛みまで広範に及びます。

 

性交痛は一時的なものや、継続的なものである場合があります。

 

また、この痛みは性行為の際の身体的な問題だけでなく、心理的、感情的な要素によっても引き起こされることがあります。

 

性交痛を理解し、その原因を正確に診断することは、適切な治療法を見つけ、性生活の質を向上させる上で重要です。

 

痛くなってしまう部位

痛くなる部位

 

痛みを感じる部分は下記の2箇所です。

 

①膣の入り口

性交痛が発生する部位の一つが膣の入り口です。「入口性交痛」または「深在性交痛」と呼ばれ、主に性行為の始まりや挿入時に痛みを感じることを指します。

 

膣の入り口周辺は非常に敏感であり、皮膚や粘膜の微妙な刺激にも反応しやすい特性があります。痛みは刺激摩擦による物理的な原因だけでなく、潤滑不足感染症などの病状からも生じる可能性があります。

 

特に、適切な前戯が欠如している場合や、パートナーとの間に心理的な緊張がある場合、膣は自然と緊張し、その結果、入り口付近に痛みを感じやすくなることがあります。

 

また、更年期になると女性ホルモンの減少により、膣周辺の皮膚や粘膜が薄く、乾燥しやすくなることもあり、それが膣の入り口に痛みを引き起こす一因となることもあります。

 

②膣の奥

膣の奥の痛みは「深部性交痛」と呼ばれ、性交時にペニスが膣奥に達するときや、特定の体位で深く挿入されたときに痛みを感じる状態を指します。体内の器官が直接刺激を受けることで発生し、原因は様々です。

 

婦人科系の病気、例えば子宮筋腫卵巣嚢腫内膜症などがあると、これらの器官が通常以上に敏感になり、深部性交痛を引き起こす可能性があります。

 

また、出産による体内の変化も痛みの原因となり得ます。出産後は、骨盤内部の器官の位置が変化することがあり、これにより膣奥への刺激が増え、痛みが生じることがあります。

 

さらに、ストレスも膣の奥の痛みを引き起こす要因となり得ます。長期間のストレスは自律神経のバランスを乱し、筋肉の緊張や血流の悪化を引き起こし、痛みを感じやすくする可能性があります。

 

これらの原因はすべて、女性の生活環境や健康状態、性行為のパターンなどにより異なるため、個々の状況に応じた対策が求められます。

 

性交痛の原因は?

性交痛は主に女性器の潤い不足が原因です。それを引き起こすと考えられる要因を下記にまとめました。

 

前戯不足

性交痛の一つの原因として考えられるのが、前戯不足です。女性の身体は、性行為の準備段階として前戯が不可欠であり、それによって心身ともにリラックス状態へと導かれ、性器は適切に潤滑され、膣は拡張します。

 

この一連のプロセスをスキップすると、膣内の乾燥緊張が引き起こされ、結果的には痛みを生じさせます。

 

特に、膣の入り口や内部は非常に敏感なため、潤滑不足のまま性交が行われると、摩擦による不快な刺激や痛みが発生します。

 

また、心理的な準備が整わないままの性行為は、不安や恐怖を引き起こし、これが体の緊張につながり、さらなる痛みを生じる可能性があります。

 

前戯の重要性は男性と女性で感じ方が異なることもあります。男性は比較的短時間で性的興奮が高まる一方で、女性は時間をかけて心地よい状態に達することが多いです。そのため、パートナー間のコミュニケーションが不可欠となります。

 

互いの準備が整ってから性行為に移行することで、性交痛のリスクを減らすことが可能です。

 

出産

出産

 

女性が出産を経験した後、性交時に痛みを感じることがあります。これは一時的なものである場合もあれば、長期的に持続する場合もあります。その原因としては、出産時の肉体的なストレス、特に産道への影響が大きく関与します。

 

具体的には、分娩によって膣や会陰部に裂傷が生じ、その治癒過程で瘢痕組織(はこんそしき)が形成されることがあります。

 

この瘢痕組織は元の組織に比べて柔軟性が低く、性交時の摩擦により痛みを引き起こすことがあります。また、分娩時に生じた損傷が完全に治癒していない場合や、分娩後の体の変化に適応できていない場合も、性交痛の原因となる可能性があります。

 

出産後はホルモンバランスの変化体調の変動も見られ、これが膣の乾燥を引き起こすことがあります。このような状況下での性行為は、特に膣の入り口付近に痛みを引き起こす可能性が高いです。

 

性交痛が出産後に持続する場合、医療専門家に相談することを強く推奨します。適切なアドバイスや治療により、痛みを軽減し、健全な性生活を取り戻すことが可能です。

 

更年期

女性の更年期は、身体的・心理的な変化が複雑に絡み合う時期であり、その一部として性交時の痛み、すなわち性交痛が増える可能性があります。更年期における性交痛の主な原因は、エストロゲンの減少による膣の乾燥と膣壁の薄さの増加です。

 

エストロゲンは女性ホルモンの一種で、その量が減少すると、膣内の自然な潤滑や柔軟性が失われ、膣壁が薄くなる傾向があります。このため、摩擦による刺激が直接膣壁に伝わり、性交時に痛みを引き起こす可能性があります。

 

また、ホルモンバランスの変化は全身の皮膚乾燥を引き起こすことがあり、これも性交時の痛みを増加させる要因となります。

 

さらに、更年期はストレスや不安感が増え、心理的な問題も性交痛の一因となることがあります。これらの感情は性欲を減退させ、十分な性的興奮を得ることが難しくなります。結果として、自然な膣の潤滑が得られず、性交痛を引き起こす可能性があります。

 

更年期の性交痛に対しては、適切なホルモン療法や潤滑剤の使用、またストレス管理などが有効な対策とされています。

 

ストレス

人間の心身は密接に結びついており、ストレスは様々な身体的症状を引き起こす可能性があります。その中には、性交時の不快感や痛み、すなわち性交痛も含まれます。

 

ストレスが高まると、自律神経が乱れ、血液循環が悪くなることがあります。特に、性交時には十分な血液が性器に流れることで、潤滑液の生成や膣の拡張が行われますが、これらがストレスにより妨げられると、性交時に痛みを感じる可能性があります。

 

また、ストレスは心の状態にも影響を与えます。過剰なストレスは性的な興奮を阻害し、リラックスして性行為に臨むことを困難にし、性交痛を誘発する一因となり得ます。

 

さらに、ストレスは筋肉の緊張を引き起こし、これが骨盤底筋の緊張やけいれんを招くことがあります。この状態では、性交時に適切にリラックスすることが難しく、強い痛みを感じる可能性があります。

 

ストレスに起因する性交痛には、リラクゼーション技術、適度な運動、適切な睡眠、バランスの良い食事など、ストレスの源を管理し解消することが有効です。

 

炎症・感染症

性器や尿道に炎症感染症が起きると、性交痛の一因となることがあります。炎症は組織の反応の一部であり、通常は外傷や感染、アレルギーなどに対する身体の防御メカニズムですが、これが性交時に痛みを引き起こすことがあります。

 

特に性感染症(STI)は、性交痛を伴う可能性があります。クラミジアやゴノリヘア、トリコモナスなどの感染症は、膣や尿道の炎症を引き起こすことがあります。この炎症は、性交時に激しい痛みを感じることを引き起こすことがあります。

 

また、膣カンジダ症などの酵母感染症も、性交痛を引き起こす可能性があります。これらの感染症は、膣内の微生物バランスが乱れると発生しやすく、膣の炎症とともに、かゆみや白っぽい分泌物といった症状を伴います。

 

炎症や感染症による性交痛が疑われる場合は、すぐに医療機関での診断を受けることが重要です。適切な治療により、痛みは改善され、感染症が他人に伝染するのを防ぐことができます。

 

婦人科系の病気

子宮内膜症

性交痛は、一部の婦人科系の疾患に起因することもあります。特に、子宮内膜症、卵巣嚢腫、子宮筋腫などは性交時に痛みを引き起こす可能性があります。

 

子宮内膜症は、子宮の内膜組織が子宮外部に発生する疾患で、腹痛や過度の月経痛を伴うことがあります。特に、この組織が卵巣や膣周囲に成長すると、性交時に激しい痛みを感じる可能性があります。

 

また、卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)は卵巣に液体または半固形物質を含む袋が形成される状態で、これが大きくなると腹部の圧迫感や痛みを引き起こすことがあります。一部の嚢腫は性交時に特に痛みを引き起こします。

 

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)は、子宮の筋肉層に生じる良性の腫瘍で、大きくなると腹部膨満感や頻尿、便秘などの症状を引き起こすことがあります。また、一部の筋腫は性交時に痛みを引き起こします。

 

いずれの病気も初期段階では症状が出にくく、自覚症状が無いまま進行することがあります。性交痛が続く場合、これらの婦人科系疾患の可能性も考え、専門医による診断を受けることが重要です。

 

性交痛の解消方法は?

 

性交痛の対策方法について下記にまとめました。

 

パートナーと話合う

性交痛の対策方法の一つとして、パートナーとのコミュニケーションが最も重要です。恥ずかしいという気持ちがあると思いますが、それを乗り越えて、自分の感じている痛みや不快感についてオープンに話すことが大切です。

 

痛みの程度や発生するタイミング、特定の体位で痛みが強くなる等の具体的な情報を共有することで、パートナーと一緒に解決策を見つけ出すことが可能になります。

 

パートナーには、痛みを理解し配慮することが求められます。前戯の充実、挿入の速度や深さの調整、体位の変更など、パートナーの配慮により痛みを軽減することが可能です。

 

どうしても痛みを感じてしまう場合は、無理に行為を進めることなく、適切に止めることも大切です。

 

潤滑ゼリーを使う

性交痛の軽減策として、潤滑ゼリーの活用が推奨されます。自然な潤滑が足りない場合や、乾燥による摩擦が痛みを引き起こすケースでは、大きな助けとなります。

 

潤滑ゼリーは、自然な潤滑を補完し、摩擦を減少させる効果があるので、皮膚の微細な損傷や刺激を防ぎ、快適な性行為を実現します。使用方法も、性行為前に適量を直接性器やコンドームに塗布するだけでシンプルです。

 

また、水溶性の潤滑ゼリーは体に優しく、洗い落とすのも容易です。さらに、無香料や無色、低刺激性の製品も多く、敏感肌の方でも安心して使うことが可能です。

 

挿入時の体位を変える

性行為における痛みは、時として特定の体位から生じることもあります。このような場合、体位の変更は性交痛の対策として有効です。

 

体位によっては膣内の圧力が変わり、痛みが発生する可能性があるため、どの体位で痛みを感じるのかを確認し、それを避けることが重要です。例えば、女性が上になる体位では、膣内の深さや角度を自分で調整できるため、痛みを軽減することが可能です。

 

また、痛みの原因によっては、特定の体位で痛みが軽減することもあります。例えば、子宮内膜症のような婦人科的な問題が原因の場合、痛みを和らげるための体位が存在することもあります。

 

クリニックへ相談する

自宅で試せる対策が効果を発揮しない場合、または性交痛が日常生活やパートナーシップに深刻な影響を及ぼしている場合、クリニックへの相談を考えるべきです。プロフェッショナルな医療従事者からのアドバイスは、痛みの原因を明確にし、適切な治療法を導く上で非常に有用です。

 

性交痛は身体の異常を示すシグナルであり、感染症や子宮内膜症、卵巣嚢腫などの深刻な婦人科的疾患の兆候である可能性もあります。そのため、持続的または慢性的な性交痛に対しては、早期に専門医に相談し、適切な検査と治療を受けることが重要です。

 

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